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船底塗装は自分でできる!プロが教える船底塗料の選び方と塗り方

大事な船を大切に長く乗る為に必要不可欠なのは、メンテナンスです。

そんな船のメンテナンスの中でも船底塗装はとても重要なメンテナンスの1つです。

船底塗装をおろそかにしてしまうと様々な不具合や致命的な故障にもつながってしまいます。

今回は塗料の種類や特徴、塗り方の紹介をします。

・船底塗料を自分で塗ろうと考えている方
・船底塗料の特徴を知りたい方
・おすすめの船底塗料を知りたい方

船底塗料はなぜ塗るの?

そもそもなぜ船底塗装をするのかを説明します。

船底塗装は主に海で係留する船にするメンテナンスです。

フジツボなどの貝類や海草類などの付着を防ぐ効果があります。

船底塗料を塗らないと起こる不具合

  • 船の加速が悪くなる
  • 舵を切っていないのに船が傾く
  • トップスピードが遅くなる
  • 燃費が悪くなる
最悪の場合エンジンを冷やす為の取水口を詰まらせてしまいエンジンを壊してしまったり、船底に穴が開いてしまうなどの大きな故障に繋がります。

船底塗料はただ塗ればよいだけではありません。

正しい塗料選びと、塗り方、期間を守ることにより、

船速、燃費、耐久性を維持することができます。

船底塗料の種類

船底塗料は各社から様々な種類の塗料が販売されていますが、

基本的には「水に溶けるタイプ」の塗料が主流です。

「水に溶けるタイプ」の塗料にも大きく分けて2つの種類の塗料があります。

・自己研磨型(水和分解型)の特徴

水流で防腐剤が少しずつ溶け出すことにより、船底の汚れを防止するタイプ。

・加水分解型と比べて安価

・水に溶けていく過程で均一に溶けていかない為、塗膜の表面が凸凹になる。

凸凹になることにより船速、燃費、耐久性が悪くなります。

■おすすめ自己研磨型(水和分解型)船底塗料

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・加水分解型の特徴

海水の弱アルカリ成分による化学反応で樹脂が少しずつ分解していくことにより、船底の汚れを防止するタイプ。

・分子レベルでの分解が起こる為、凸凹になりにくい。

・使用頻度の少ない船でも船底を綺麗に保つことが出来る。

・自己研磨型(水和分解型)に比べて高価。

・海水に含まれる成分に反応して起こる化学反応を利用をしている為、淡水では効果がない。

基本的には自己研磨型(水和分解型)より高性能な塗料が加水分解型になります。

■おすすめ加水分解型船底塗料

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船底塗装の時期

船底塗装は年2回、少なくても1回は塗るのが良いです。

付着生物の繁殖期の1か月前に塗装するのが理想的で、

生物の種類によっても繁殖期はことなりますが、

フジツボなどの貝類が繁殖する前の5月頃と

藻類が繁殖する前の10月頃の2回がベストと言われています。

年1回の場合も、5月頃か10月頃のどちらかが良いとされています。

船底塗料の塗り方

【準備する道具】

・船底塗料 ・シンナー ・ローラー ・刷毛 ・トレー ・スクレーバー ・マスキングテープ ・混ぜ棒(かくはん機)
・サンドペーパー(#150~#200)
水和分解型船底塗料に混ぜるだけで性能大幅アップ!
わずかな費用で船の維持管理費用を軽減できます。

【服装】

 ・帽子 ・塗装用作業着 ・ゴーグル ・マスク ・手袋

塗装の工程

工程 その1.船底清掃

◇付着物の除去、油汚れを落とす

船底に付着した貝などをスクレーバーを使い剥がしていきます。

油汚れにはシンナーを使いましょう。

◇清水洗い

表面の塩分を清水で洗い流しましょう。

高圧洗浄がある場合は、高圧洗浄でできる限り貝などを除去し、除去しきれなかった付着物をスクレーバーを使い除去しましょう。
◇乾燥

※生物の固着を防ぐ為、ここまでの工程は上架後すぐに行いましょう。

工程 その2.下地処理

◇旧塗膜の処理

素地(FRPゲルコート)が露出しているところはサンドペーパーがけをします。

浮いたり剥がれたりしている塗膜はスクレーバーを使い除去しましょう。

◇清水洗い

表面についた粉などのダストを洗い流しましょう。

◇乾燥

塗装前の船底清掃、下地処理は塗料の効果性能を発揮する為にとても重要な工程です。
この工程をおろそかにすると、塗料が剥がれてしまう原因になります。

工程 その3.養生

◇マスキング

ハル(喫水線上)とボトム(喫水線下)をマスキングテープで区切ります。

テープ幅の狭いマスキングテープでラインに沿って丁寧に貼り、細いマスキングテープに沿って太いマスキングテープを貼ると貼りやすいです。

養生は塗料の性能には関係ありませんが、丁寧にハルとボトムの際のラインを沿って貼りることで仕上がりの見栄えが綺麗になるので、慎重にしっかりと貼ることを心掛けましょう。

工程 その4.塗料の準備

◇塗料の攪拌(かくはん)

塗料は成分が缶の下に沈殿しているので、混ぜ棒もしくは撹拌機を使いよくかき混ぜましょう。

工程 その5塗装

いよいよ塗装です。

塗装は2回塗りが基本です。

◇1回目の塗装

ローラーを使い塗料が均一になるよう塗りましょう。
気温などで塗料が固くなっている場合や塗料の伸びを良くして刷毛目を目立たせなくする為にシンナーで希釈してから使う場合もあります。

【塗装のポイント】
・横方向と縦方向にクロスで塗ることで均一に塗ることが出来ます。
・ローラーで塗りにくいところは刷毛を使う
・滑走中、水に接してる部分は塗料が剥がれやすいので念入りに塗装する
・スルハル付近などは塗料が剥がれやすいので、刷毛を使い厚めに塗る
・塗料をシンナーで薄めすぎると、塗料の効果を落としたり、液だれの原因になるので薄めすぎないようにしましょう。船底塗料の成分には金属を腐食させてしまう成分がふくまれています。プロペラやシャフトなどの金属部分には専用の塗料を使いましょう。
注意
船底塗料の成分には、金属を腐食させてしまう成分が含まれているので、プロペラやシャフトなどの金属部分には塗らないようにしましょう。
また、ジンク(防触亜鉛)にも塗料が付かないよう気を付けましょう。

工程 その6.乾燥

2回目の塗装を始める前に指定の時間をあけます。

【時間の目安】

春、秋・・・8~10時間

夏・・・4時間

冬…16時間

※指で触って塗料が乾いていてもこの時間を守って2回目の塗装を行いましょう。

工程 その7.再び塗装

1回目の塗装の注意点を守り2回目の塗装も行いましょう。

2回目の塗装では、1回目とは違い塗料が塗れているところと塗れていないところの見分けがつきにくいです。
塗る範囲を決めて、確実に塗装をしましょう。
1回目と2回目で塗料の色を変えることにより2回目の塗装を確実に塗ることが出来ます。
注意点は、しばらく船を使用して船底塗料が剥がれてきたときに違う色の塗料が見えてきて、汚く見えてしまうことがあります。

工程 その8 乾燥~下架

先ほどの指定の時間を目安に乾燥させ、船を下架しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか?

船底塗料は正しい塗料選び、塗り方をすることにより効果を発揮します。

ぜひあなたの大切な船のメンテナンスをご自身でチャレンジしてみてはどうでしょうか?

今回は【船のメンテナンス】船底塗料の選び方と塗り方でした。

 

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